クックフリーズとは?クックチルとの違いやメリット、デメリットを解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。
少ない人手でたくさんの料理を提供できるクックフリーズシステムをご存知ですか?
クックフリーズは調理後すぐに冷凍することで作業を効率化しつつ、美味しい状態で提供するシステムのこと。最近では導入しているお店がどんどん増えています。
近年、特に飲食店などでは人手不足でバイトを雇うのも難しい現状です。クックフリーズシステムはそういった飲食店の課題を解決する方法の1つです。今のうちからしっかり知っておかないと流れに乗り遅れてしまう可能性もあります。
そこで当ページではクックフリーズとは何なのか、導入時のメリットやデメリットなどをご紹介します。さらに冷凍しても品質を落とさずに商品を提供できる、急速冷凍についてもご紹介します。
時代の流れに遅れないよう、ぜひ最後までご覧ください。
目次
クックフリーズとは
まずはクックフリーズとは何なのか解説します。
クックフリーズとは調理後すぐに冷凍し始め(加熱調理後30分以内)、細菌が増える前に冷凍保存し(90分以内に中心温度を-5℃以下)、提供する際に温める調理方法です。加熱調理後、食品の細菌が増殖しやすい温度帯を短時間で通過させることで、食中毒などの危険性が低くなります。
そのため、事前調理が可能となり、提供前に前もって加熱調理することができます。忙しくない時間にまとめて料理を作ってしまえば、忙しい時間でも少ない人数でお店を回すことが可能です。
クックチルとは
クックチルは調理とチルドを組み合わせたシステムです。
加熱調理した食品を冷却し、チルド(0~3℃)状態で低温保存します。提供のタイミングで加熱調理します。
※関連記事:クックチルシステムとは?さまざまな課題を解決!【メリット・デメリット】
クックフリーズとクックチルの共通点
クックフリーズとクックチルは、冷凍か冷蔵(チルド)かという点で定義が異なります。ただし、どちらも需要にあわせて提供できるため、提供効率が高いといえるでしょう。また、食品の保存性、安全性が向上できることや栄養価や風味が維持できる点も、共通点に挙げられます。
※関連記事:クックチルとクックフリーズとは?それぞれのメリット・デメリットを解説
クックフリーズとクックチルの違い
クックフリーズとクックチルは、味や保存期間などに違いがあります。
味の違い
クックチルは冷蔵状態で保存する一方、クックフリーズは冷凍状態で保存します。そのため、クックフリーズに比べてクックチルは細胞が劣化しにくく、風味や食品の状態が、保たれやすいといえます。ただし、急速冷凍した場合は細胞が劣化しにくいため、保存期間や保存方法次第では急速冷凍を用いたクックフリーズの方が味がよいといえます。
保存期間の違い
クックチルとクックフリーズは、食品の保存期間が異なります。クックチルの保存期間は、3℃以下保存で4〜5日ほどです。一方、クックフリーズは、食品のタイプによって異なりますが、−18℃以下の保存で1年ほどの保存期間があります。
保存方法の違い
クックチルは、冷却してチルド保存する手法、クックフリーズは、凍結して冷凍保存する手法です。
クックフリーズを使用する際のメリット

クックフリーズのメリットとして、品質を維持できる急速冷凍を用いれば食品の劣化をおさえながら長く保存できること、安全性が高いことなどが挙げられます。
保存期間が長く必要な分だけ使用できる
クックフリーズでは、食品にもよりますが劣化を最小限に抑えながら約1年間保存することができます。
そのため、まとめて作ってストックし、必要な分だけ使うことが可能です。また、ロスなども極限まで減らすことができます。
※関連記事:【機能と課題を解説】食品を微凍結するパーシャルフリージングとは
安全性が高い
クックフリーズは菌が活発になる温度帯(20~40℃)を素早く通過させることで、食中毒などの危険を軽減して食事を提供できます。
生ものなど食中毒の危険性の高い食品も、下処理や仕込みが最低限で済むので衛生的な状態を保つことができます。
※関連記事:ブラストチラーの有効な使い方とは?【安全と美味しさを守る】
調理に人手をかけず料理を提供できる
保存が効くのでまとめてたくさん作ることができ、調理に必要な人数を減らすことができます。また、提供時も温めて出すだけなので料理人がいなくても料理の提供が可能。人手不足を解消することができます。
※関連記事:ホテル・旅館で人手不足の課題を解決する急速冷凍機のメリットと事例
地域や時期に影響されない
クックフリーズは、冷凍状態で配送、保管ができるため、地域を選ばず提供できるメリットがあります。また、1年間ほど保存が可能なため、旬を過ぎた食事の提供もスムーズです。そのため、献立の幅が広がる、災害時や緊急時に柔軟に対応できるといったメリットがあります。
在庫管理がしやすい
長期保存できるため、在庫管理がしやすい点もメリットに挙げられます。需要と供給のバランスを把握して、在庫管理すれば食品ロスの防止にもつながるでしょう。これにより、在庫管理にかかる手間が省けます。
作業工程を分散できる
調理と提供の作業工程を分散できるため、繁忙期やイベント対応時などの人手不足対策に有効です。また、ピーク時に仕込みを集中して行う必要がないため、調理スタッフの作業負担軽減にもつながるでしょう。また、必要以上に人を配置する必要がなく、人件費を最適化できます。
このようにメリットの多いクックフリーズですが、デメリットもあります。以下で、その理由を解説します。
クックフリーズを使用する際のデメリット
クックフリーズには、以下のような3つのデメリットがあります。
設備投資が必要
クックフリーズを導入する際は、冷凍専用設備や食品を保存するスペース、送料もしくは配送時の冷凍車両などの設備投資が必要です。施設の規模や需要に合わせて、計画的な投資が求められます。
冷凍によって食感や風味が劣化する
クックフリーズには冷凍が必要になります。ですが冷凍することで食感、風味など本来のものに比べ味が落ちてしまうことがあります。お店にとって提供する料理の味は特に重要な要素。妥協してしまうとお客さんを減らすことにもなりかねません。
お客さんは安くて美味しい料理を求めています。味が落ちてしまってはその店の価値が下がってしまいます。価値を落とさないために、品質を維持できる急速冷凍機を選ぶ必要があります。
※関連記事:【事業者向け】冷凍食品は腐る?保存期間と品質維持の徹底ガイド
解凍に時間がかかる
提供時には、冷凍状態の食品を解凍しなければなりません。チルド状態で保存するクックチルと比べると、解凍に時間がかかります。提供時間に合わせる必要があるため、事前に計画を立てましょう。なお、少量であれば、短時間での解凍が可能です。
※関連記事:【急速解凍or緩慢解凍】迷ったら読むべき解凍方法まる分かりガイド
クックフリーズを実現するための設備の選び方
クックフリーズを実現するためには設備導入が必要となりますが、選び方を間違えてしまうとクックフリーズシステムの導入自体が失敗してしまいます。ここでは、失敗しない設備の選び方を解説します。
事前に検証し、品質の維持できる設備を選ぶ
クックフリーズは調理済み食品を急速冷凍し、再加熱しても美味しさや品質を維持できることが求められます。そのため、設備選びでは「実際の食材で事前に冷凍・解凍の検証を行うこと」が重要です。冷凍時の水分保持、再加熱後の食感・風味など、実使用を想定したテストで問題が出ない設備を選ぶことで、製品のクオリティを確実に保てます。導入前には、メーカーに問い合わせ、冷凍~再加熱までを実機で検証するようにしましょう。
※関連記事:業務用瞬間冷凍機おすすめ|製品・機種と導入事例、補助金活用術を解説
食材・保存期間に合わせて保管環境を選ぶ
クックフリーズで安定した品質を保つには、冷凍後の保管環境も非常に重要です。たとえば、デリケートなフルーツ、マグロなどは、短期間で回転させる運用や、超低温冷凍庫の活用が必要です。一方で、煮物や揚げ物などは-20℃前後でも一定期間の保存が可能です。保管期間・商品特性・出荷サイクルを考慮して、冷凍庫の温度帯・容量・出し入れのしやすさを総合的に判断しましょう。また、温度変動を防ぐための搬入導線や、停電時のバックアップ体制も忘れずに確認することが大切です。
※関連記事:急速冷凍機は温度が最も重要!凍結〜保管〜解凍工程ごとに解説
品質を落とさずにクックフリーズできる急速冷凍
クックフリーズシステムを使っても品質を維持し美味しい料理を提供する方法があります。それは急速冷凍することです。
急速冷凍を使えば、短時間で冷凍することで食品の細胞の損傷を最小限にとどめ、解凍しても冷凍前の状態に復元させることができます。

急速冷凍することで、クックフリーズシステムを導入しても美味しい料理を提供することができ、人手不足など別の課題も克服することができます。
※関連記事:急速冷凍とは?温度や冷凍時間の定義、メリット、適した食品まで解説
まとめ
クックフリーズシステムを導入することで、安全性が高い料理を手間なく提供できるメリットがあります。ただし、冷凍工程で味や風味が落ちてしまうという課題もあるでしょう。そこで、「味も妥協せずに提供したい」といった現場の声に応えるのが、急速冷凍の技術です。料理の品質を維持したいなら、急速冷凍機の導入がおすすめです。
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