業務用瞬間冷凍機おすすめ｜製品・機種と導入事例、補助金活用術を解説

2025.06.10

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。

昨今、注目されている瞬間冷凍機。

品質を落とさずに冷凍できることから、飲食店や水産、精肉、食品メーカー、宿泊施設など食品業界の様々な企業で使われ始めています。

「売上を上げる」、「賞味期限を気にせず仕入れられる」、「事前の製造・仕込みで働き方改革を実現する」などの効果が期待でき、メリットが非常に大きいです。

また、瞬間冷凍機も空気凍結タイプ、液体凍結タイプ、特殊方式タイプなど様々な機械があり、最適なものを選ぶことがとても大切になります。

このページでは専門家が瞬間冷凍機について徹底解説。瞬間冷凍機とは何か、瞬間冷凍機が食品の品質を維持できる原理から、導入のメリットや事例、価格、お得に導入できる補助金情報なども解説していきます。

この記事で分かること／解決できること

瞬間冷凍機の仕組みと急速冷凍との違いが理解できる
導入による具体的なメリット（販路拡大・仕入れ自由度・働き方改革）が把握できる
食品や業界別の導入事例から、実際の効果や活用イメージを得られる
空気凍結・液体凍結など、瞬間冷凍機の種類ごとの特徴と選び方がわかる
補助金・助成金を活用したお得な導入方法について情報が得られる

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1 瞬間冷凍の定義と仕組み
- 1.1 鮮度や品質を保存する冷却技術
2 瞬間冷凍と急速冷凍の違い
- 2.1 「ショックフリーザー」や「ブラストチラー」とは
3 業務用の瞬間冷凍機と家庭用冷凍庫の違い
- 3.1 家庭用の冷蔵庫・冷凍庫
- 3.2 業務用の瞬間冷凍機
4 瞬間冷凍できるようになった食品・食材
5 瞬間冷凍を導入するメリット
6 瞬間冷凍機の種類
7 【小型から大型サイズまで対応】急速冷凍機メーカーの比較ならデイブレイク
8 おすすめの瞬間冷凍機と機能性
- 8.1 おすすめ機種①：アートロックフリーザー（空気凍結タイプ）
- 8.2 おすすめ機種②：リジョイスフリーザー（液体凍結タイプ）
9 【業界別】瞬間冷凍機の導入事例
10 瞬間冷凍機の価格
11 瞬間冷凍機の購入は補助金がおすすめ
12 まとめ

瞬間冷凍の定義と仕組み

引用：一般社団法人日本冷凍食品協会

瞬間冷凍とは素早く冷凍することで食材の細胞を壊さず、品質を変えずに冷凍できる装置のことです。厳密に定義されている言葉ではありませんが、水分が氷に変わる-1℃〜-5℃を30分以内に通過させられるかが瞬間冷凍の大まかな目安となっています。

※関連記事：急速冷凍とは？温度や冷凍時間の定義、メリット、適した食品まで解説

鮮度や品質を保存する冷却技術

時間をかけてゆっくり凍らせると食材の水分が氷に変わる際に大きな氷の結晶を作ってしまい、細胞にダメージを与えてしまうため、ドリップ・変色・臭みなどが生じてしまいます。

それに対して瞬間冷凍すると氷の結晶がきめ細かく生成されるため、細胞へのダメージを抑え品質を損なわずに冷凍することができます。

※関連記事：食品のドリップとは？ドリップを出さないための工夫を解説！

瞬間冷凍と急速冷凍の違い

ここまで瞬間冷凍について解説してきましたが同じ様な表現で「急速冷凍」というキーワードを知る機会もあるのでは無いでしょうか？

実は瞬間冷凍と急速冷凍、どちらも使われているキーワードですが意味に違いありません。表現の仕方が複数あり、使う人によって使う表現が異なるというのが現状です。

冷凍の技術や機械を指す言葉には様々なものが混在しています。

【素早く冷凍する技術】

「瞬間冷凍」、「急速冷凍」、「急速凍結」、「瞬間凍結」

【素早く冷凍するための設備（機械）】

「瞬間冷凍機」、「瞬間冷凍庫」、「瞬間凍結機」、「瞬間凍結庫」、「急速冷凍機」、「急速凍結庫」

わかりにくく悩まれる方もいらっしゃいますが、基本的にはどれも同じものを指しています。中でも1番ポピュラーなのは「急速冷凍」、「急速冷凍機」と言われています。

「ショックフリーザー」や「ブラストチラー」とは

「急速冷凍機」「瞬間冷凍機」＝「ショックフリーザー」と誤認されている方もいらっしゃいますが、ショックフリーザーはあくまで「急速冷凍機」「瞬間冷凍機」の1種で、強風で食品を凍らせるエアブラスト式冷凍機のことを指します。また、「ブラストチラー」はさらに別物で、業務用冷却機（食材の粗熱をとる技術・機械）のことを指し、使い方や仕組みが異なります。

※関連記事：ブラストチラーとは？ショックフリーザーとの違いも徹底解説！

業務用の瞬間冷凍機と家庭用冷凍庫の違い

最近では家庭用の冷蔵庫などでも美味しく冷凍できるような進化が進んでおり、三菱、パナソニックなどの各社大手メーカーも様々な商品・技術を出しています。

では実際に業務用の瞬間冷凍機と比べ、どのような違いがあるのでしょうか？
ここからは家庭用の冷凍と業務用の瞬間冷凍機の違いについて解説します。

※関連記事：急速冷凍機とは｜種類やメリット・選び方・おトクな導入方法も解説

家庭用の冷蔵庫・冷凍庫

家庭用の冷蔵庫・冷凍庫に瞬間冷凍機能がつくようになってきましたが、果たして業務用とどう違うのでしょうか。
ずばり、大きな違いは冷凍のパワーにあります。

業務用の瞬間冷凍機では、食品を冷凍させるために専用のエンジンを積んでおり、ある程度の冷凍量があっても均一に冷凍できるようになっています。それに対して、家庭用の冷蔵庫・冷凍庫には、当然専用のエンジンを積むスペースはありません。そのため、業務用で必要とされるパワーを発揮できず、品質も業務用瞬間冷凍機と同様とはいかないのが実情です。

※関連記事：【家庭で瞬間冷凍を実現】進化する家庭用冷蔵庫の冷凍機能

業務用の瞬間冷凍機

業務用の瞬間冷凍機では、温度は-30℃以下のものが多く、パワーの強いエンジンを搭載しているため、-1℃〜-5℃の温度帯を概ね30分以内に通過することが可能です。

そのため、業務用の瞬間冷凍機を活用することでこれまで冷凍できなかったような食材も冷凍することができます。

ここから実際にどのような商品が冷凍できているのかご紹介します。

※関連記事：【業種別のおすすめ付き】小型急速冷凍機の種類とメリットまとめ

瞬間冷凍できるようになった食品・食材

ではどのような食品が冷凍できるのでしょうか？

実際に冷凍できている事例を一部ご紹介します。

魚介類・肉

赤身の魚、青魚、白身魚、貝類、甲殻類など、総じて瞬間冷凍での再現性が非常に高いです。

特に変色しやすいと言われるマグロ、カツオ、ブリなどでも変色を起こさず、なおかつ解凍してもドリップが出ません。

また、魚まるごとの瞬間冷凍はもちろん、切り身、切りつけた刺身の瞬間冷凍まであらゆる加工度で冷凍ができています。

肉も同様に、ドリップをほとんど出さない冷凍が可能で、焼肉屋の仕込みなどでも活用されています。

※関連記事：【冷凍魚と肉の日持ちは？】気になる賞味期限と、保存期間を延ばすコツ

米類（寿司など）

お米類も瞬間冷凍と非常に相性が良いです。

お米の入った商品で特に瞬間冷凍が難しいとされるお寿司でも非常に良い結果が出ています。
実際にミシュランの星を獲っている客単価数万円のお寿司屋さんでも使われている実績があります。

揚げ物

揚げ物も瞬間冷凍が可能です。
揚げ前の状態はもちろん、揚げた後の状態の食材も冷凍することができます。

熱々の食材をそのまま瞬間冷凍できる機種を使うことで、揚げたてのサクサク感やジューシーさをそのまま閉じ込め、簡単に解凍・提供できる商品が実現しています。

ここまでご紹介した通り、これまで冷凍できなかったものも瞬間冷凍機の技術が進化することで冷凍できるようになっています。

瞬間冷凍で品質を落とさずに長期保存が可能になることで、廃棄ロスがなくなるのはもちろんのこと、人手不足の解消や売上アップなど成功事例が多数生まれています。

次の章では成功につながる、瞬間冷凍機のメリットをご紹介します。

瞬間冷凍を導入するメリット

実際に瞬間冷凍を導入するとどういったメリットがあるのでしょうか？

ここでは下記3つのメリットをご紹介します。

①販路拡大や新商品開発での売上アップ

瞬間冷凍機を活用する1つ目のメリットは売上を上げる効果が期待できることです。

瞬間冷凍を活用して新しい商品を作ることで、通販・テイクアウト・卸販売など新しい売上の柱作りができます。

また、冷凍で商品のストックをしておけばロスが出ないため、余裕のある在庫管理ができます。需要はあるのに在庫がなくて売れないと言った機会損失をなくすこともできます。

※関連記事：【お弁当製造業向け】急速冷凍の活用で業務の課題は解決できる！

②賞味期限を気にせず仕入れができる

瞬間冷凍する2つ目のメリットは、賞味期限を気にせず食材の仕入れができることです。

瞬間冷凍すると食材の品質を落とさずに、長期保存することができます。

そのため、質が高く価格が安い旬の時期に仕入れたり、特定の時期しか流通しない食材を仕入れたり、大量発注で単価安く仕入れたりすることができます。質の高い食材を安く仕入れ、好きなタイミングで提供することが可能です。

「提供する商品の品質アップ」や「仕入れコストを抑え利益率を上げる」などの効果が期待できます。

※関連記事：食品製造における廃棄ロスと賞味期限に対する施策

③事前の製造・仕込みで働き方改革を実現できる

瞬間冷凍する3つ目のメリットは、商品の製造や仕込みのタイミングを変えることで働き方改革を実現させることです。

瞬間冷凍機を活用することで、前もって製造・仕込みをした商品を、使いたいタイミングで解凍・提供することが可能です。

具体的な活用方法を2つご紹介します。

繁忙期と閑散期の作業量を平準化する

1つ目は繁忙期と閑散期の作業量を平準化することです。

おせちやお中元などある時期に需要が集中すると、繁忙期と閑散期のギャップが大きくなり、繁忙期の労働時間が増えることで負担がかかります。また、短期で働いてくれる人材を集めるのも難しくなります。

繁忙期に合わせて、閑散期のタイミングに前もって製造・仕込みを行い瞬間冷凍すれば、繁忙期と閑散期のギャップを埋めることができます。

※関連記事：スーパー・小売店が急速冷凍機を導入するメリットと活用事例をご紹介

早朝・深夜の業務を減らす

2つ目は早朝・深夜の業務を減らすことです。

仕出し弁当などお昼に商品を提供する場合、その仕込みは前日の深夜や当日の早朝から行う場合が多くあります。

事前に仕込みを行ない、前日夕方や当日朝に解凍するだけのオペレーションに変更することで、早朝・深夜の業務を減らすことが可能です。

これらが従業員の負担を減らし、定着率が上がり、採用コスト・教育コストを抑えることに成功している事例が多数存在します。

ここまでご紹介した通り、瞬間冷凍はメリットが大きく様々な方法での活用が可能です。そのため、飲食店はもちろん、水産、精肉、食品メーカーなど様々な業種で導入されています。

では、いざ瞬間冷凍機を導入するとなった場合、どのような瞬間冷凍機が良いのでしょうか？

ここからは瞬間冷凍機の種類についてご紹介します。

※関連記事：儲かる弁当屋の事例｜利益率UPのカギは原価率と計画生産

瞬間冷凍機の種類

瞬間冷凍機は様々な原理のものがあります。
ここからはそれぞれの原理についてご紹介します。

空気凍結タイプ（エアブラストタイプ）

現在、主流な凍結方法です。-35℃程度の冷気を食材に当てることで食材から熱を奪い、短い時間で瞬間冷凍します。

空気凍結タイプにも様々な特徴を持った瞬間冷凍機があります。

食材の乾燥を抑えることで食材を裸でも冷凍できるものや出来立ての熱々の食材をそのまま冷凍できるものもあります。

※関連記事：エアブラスト冷凍とは？メリット・デメリットについて

液体凍結タイプ（リキッドタイプ・アルコールタイプ）

アルコールなどの凍らない液体（不凍液）を-10℃〜-35℃程度まで冷やし、そこに食材を漬けることで瞬間冷凍します。

液体は熱伝導率（温度を伝える力）が高いため、凍結スピードが比較的速いのが特徴です。

アルコールなどの液体に漬けて冷凍するため、事前に食材を真空包装する必要があったり、液体の拭き取り作業が必要になったりと手間やコストがかかります。

※関連記事：液体凍結機のメリット・デメリットや価格、お得な導入方法など解説！

接触凍結タイプ（コンタクトタイプ）

冷えた金属の板で食材を挟み込み、直接触れることで瞬間冷凍するタイプです。

食材に直接金属が触れるため、熱交換効率が高いのが特徴です。

液化ガスタイプ

液化窒素などの液化ガスを使って瞬間冷凍するタイプのものです。-196℃の液化窒素を食品に当てることで瞬間冷凍します。

非常に温度が低いことで凍結が早い反面、温度が低すぎることで身割れなどのダメージが入ってしまうこともあり、食材によって合う合わないの差が多くでます。

取り扱いが難しいため、あまり一般的なタイプではありません。

特殊方式タイプ

ここまでご紹介した4つのタイプのどれにも当てはまらないものを特殊方式タイプとしてご紹介します。

磁束・電磁波・磁場、振動などを活用し冷凍する仕組みですが、磁場の有無によって氷結晶の大きさに差異が発生しないという結論が出されており、賛否の別れる原理となっています。

このように瞬間冷凍機と一口に言っても様々な原理があるため、冷凍する食材や活用シーンに合わせたものを選ぶことが大切です。

とはいえ様々な瞬間冷凍機がある中でどれが良いかわからないという方も多いため、後ほどおすすめの機種を一部ご紹介します。

【小型から大型サイズまで対応】急速冷凍機メーカーの比較ならデイブレイク

一口に業務用瞬間冷凍機といっても、種類もサイズも様々です。デイブレイク株式会社は、特殊エアブラスト方式のアートロックフリーザー、液体凍結方式のリ・ジョイスフリーザーなど、複数メーカーの製品を取り扱う急速冷凍専門の会社です。食品製造業や飲食業の課題に合わせて最適な機種をご提案します。

【業界別】瞬間冷凍機の導入事例

瞬間冷凍技術は、様々な業界に革新的なビジネス展開をもたらしています。製造小売業、食品加工業、飲食店、冷凍食品専門店の導入事例を紹介します。

【製造小売業】フルーツの品質保持を実現｜株式会社弁才天

フルーツ大福専門店「弁才天」は、賞味期限の短さと手作りによる生産量の限界という課題をアートロックフリーザーで解決しました。冷凍後も果物本来の香りと風味を維持でき、「半解凍で食べる新感覚のフルーツ大福」という付加価値も創出しました。EC売上は約5倍に成長し、現在は海外展開も視野に入れています。

【食品加工業】生産効率向上と品質革命｜プライフーズ株式会社

プライフーズ株式会社は、鶏胸肉の薄切り製造におけるドリップ発生と歩留まりの課題を抱えていました。アートロックフリーザー導入後、歩留まりが3%改善し、生産効率が向上しました。ドリップ量の減少と盛付けの均一化により卸先からの評価も上がり、「品質が格段によくなった」との評価を受け、卸先の売上向上にも貢献しています。

【飲食店】解凍後の再現性が決め手｜CRAZY PIZZA

人気イタリアンレストランから派生した「CRAZY PIZZA」は、冷凍ピザブランド「CRAZY PIZZA：LIFE」を展開しています。アートロックフリーザーにより、ハーブやトマトの香りを保ち、焼き立てのような食感を再現することに成功しました。瞬間冷凍機の活用で、1日300〜400枚の安定生産体制を確立しています。現在は、個人向けだけでなく、厨房スペースや人材が限られている飲食店やホテルからの需要も増加しています。

【冷凍食品専門店】販売ルートの拡大｜株式会社ダイエー　他

アートロックフリーザーの技術で高品質な冷凍食品がつくれるようになり、冷凍食品は「おしゃれで贅沢な食事」という側面をもつようになりました。それに伴い、スーパー「ダイエー」では高品質でおいしい冷凍商品シリーズ「冷凍dai革命」を展開しています。他にも、島根県の「De&」や大阪の「FROZEN Lab.」など、地域密着型の冷凍食品専門店も増加中で、見栄え、品質、利便性、高級感などで差別化を図り、新たな市場を開拓しています。

※関連記事：冷凍食品専門店が急増する理由|ミシュラン獲得店が使う最新冷凍技術