特殊冷凍デモ からあげ(短期)の冷凍・解凍
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今回は「からあげ」の冷凍・解凍実験を行いました。
からあげは好きなおかずランキングでも3年連続で1位になるほどお弁当にはかかせないおかずです。
今回は仕出し屋業者様やこだわりのからあげ屋様をイメージし、冷凍・解凍に向いたからあげの粉の研究のため、粉の種類は片栗粉・小麦粉・米粉の3種類、粉付けのタイミング2通り(揚げる直前・揚げる5時間前)の計6パターンで実験しました。
今回の実験の主な条件はこちらです。
食材選定:粉の種類(片栗粉・小麦粉・米粉)
凍結条件:粉付けのタイミング(揚げる直前・揚げる5H前)
凍結手法:アートロックフリーザー(揚げたてあつあつのまま入れることができます)
保管方法:-20℃冷凍庫・2週間
解凍方法:電子レンジ、冷蔵解凍、スチームコンベクションオーブン解凍
凍結前後の様子
凍結前
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このようにフランス天板に並べたからあげを、今回はアートロックフリーザーを使って特殊冷凍していきます。
アートロックフリーザーは、揚げたての美味しさを維持した冷凍からあげの製造に非常に適した急速冷凍機です。
その理由の一つが、空気凍結のため少し油をきった後、揚げたてアツアツのからあげを冷凍機に入れられることです。
アツアツのまま入れることによって、からあげのジューシーさを維持できることが大きなメリットになります。
粗熱を取ってから冷凍機に入れる工程だと余計に水分が蒸発してしまうので、ジューシーさを失ってパサついてしまうことがありますが、その工程が不要です。
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今回、1個約50gの中心温度約77℃から-18℃までの凍結時間はわずか1時間でした。
凍結時間の面でも、アートロックフリーザーは非常に効率の良い急速冷凍機です。
凍結後
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凍結後の保管
今回も最も高品質に冷凍保管ができるハイバリア性(酸素透過度低)のフィルムを使って、真空包装機で約95%程(様子みながらつぶれない程度)で真空処理を行い保管しています!
アートロックフリーザーは食材を乾燥させずに、はだかの状態で凍結することができるため、凍結後に真空処理が可能です。
凍結後の食材は凍結前と比較して硬いため、95%という比較的高い真空度で真空処理をしても食材がつぶれて品質が低下することがありません。
結果として、高い真空度で保存することにより食材が酸素と接触するのを極小化でき、高品質な状態を維持できる期間が長くなります。
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解凍
今回の実験では、以下の3つの条件で解凍を行いました。
解凍前の写真はこちらです。
上段:粉付け直前パターン、左から片栗粉、小麦粉、米粉
下段:粉付け5時間後パターン、左から片栗粉、小麦粉、米粉
・冷蔵解凍 :10℃温度帯 約3時間半で解凍
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・スチームコンベクションオーブン解凍: コンビモード湿度60%、6~7分で解凍
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・電子レンジ解凍: 500W 3分で解凍
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官能評価結果
- 解凍方法について:スチームコンベクションオーブン解凍>冷蔵解凍>電子レンジ解凍
電子レンジ解凍は+オーブントースターだと衣のカリッと感が再現できます!
- 衣について:片栗粉・小麦粉>米粉
米粉は揚げたては美味しいがねっとりと歯にくっついてしまうような味になってしまったので米粉単体でのご使用はお勧めしません!
- 粉付けのタイミングについて:お好みで
今回の実験の詳細な結果については、お問い合わせください。
まとめ
今回は「からあげ」の冷凍・解凍実験を行った結果をお伝えしました。
粉の種類は片栗粉・小麦粉・米粉の3種類、粉付けのタイミングは揚げる直前・揚げる5時間前の2通りで、計6パターンの実験をしました。
アートロックフリーザーを使用して冷凍することで、揚げたてアツアツの状態で凍結することができました。
凍結に要する時間も約1時間と短く、非常に効率的なオペレーションが可能であると考えられます。
また、食材をはだかの状態で乾燥させずに凍結できるため、凍結後の真空処理でも比較的高い真空度で包装でき、高品質な状態を維持できる期間も長いと予想されます。
解凍後の官能評価の結果は以下の通りです。
- 解凍方法はスチームコンベクションオーブン解凍>冷蔵解凍>電子レンジ解凍
- 衣については片栗粉・小麦粉>米粉
- 粉付けのタイミングについては特に大きな差はない
また、電子レンジ解凍は+オーブントースターを使うと衣のカリッと感が再現できました!
さらに、米粉の衣は揚げたては美味しいがねっとりと歯にくっついてしまうような味になってしまうため、米粉単体でのご使用はお勧めできないこともわかりました。
この記事では実験結果について簡単にお伝えしましたが、詳細な実験結果をご希望の方は、お問い合わせください。